『要約・書評』眼力をつける読書術 吉岡友治 1
☆(要約)ジャンル別の読み方
⑴論文の読み方
①論文の構造
問題 → 解決 →根拠( 理由/説明/例示)
ポイント:根拠で一番大切なのは理由
『なぜ、その主張が正しいか?』に直接、答える部分であるため
②段落に特徴がある
だいたいの論文は
段落の冒頭部分に筆者の言いたいことが述べられ、
後からくわしい情報・データなどの細部が続く
という仕組みになっている
⑵随筆の読み方
①随筆とは何か
個人的出来事とその感想をきっかけに、
人間・社会一般について考察を深めていく文章形式
②随筆の構造
体験 → 感想 → 思考・考察
③随筆の特徴
「なぜ、人間の生命ははかないのか?」という問いを設定して、その解決を論理的に示すのなどという面倒なことをしない。「水の泡」に似ているだろうと指摘しておしまい。「やっぱり人間の命なんて水の泡と同じではかないよな」というイメージやムードをかきたてるのである。つまり、随筆では、論文のようにロジックを使うことにより、イメージと直観を利用して一気に納得させる仕組みになっているのである。
⑶小説・ フィクションの読み方
①批判的読み方を実践する
使われている言葉や描写(服装などから当時の階級を想像)を手がかりに、その小説の表現を成り立たせている社会関係・人間関係をより深く読み込んでいく。そうした方が単に感動を求めるよりも、読書が多面的な体験になって面白いし、人間・社会理解も深まるはず。